近年、汚水や汚泥の腐敗過程において発生する有機酸の影響により、下水道処理施設やビルピット等の環境下で、防食対策として施工された塗布型ライニング工法に劣化が生じる事例が報告されています。
これらの施設では、従来より硫酸腐食を主な想定劣化要因として防食設計が行われてきましたが、硫酸の他に有機酸の存在が防食被覆層の性能や耐久性に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
有機酸は、防食被覆層に浸透・作用することで塗膜の物性低下を引き起こす場合があり、その結果、防食機能の低下や下地コンクリートへの影響につながることがあります。
このような状況から、防食設計においては、硫酸腐食だけでなく、有機酸腐食による影響も考慮した対策が求められています。
有機酸は、硫酸腐食のように目に見えて急激な損傷を生じるケースは少ないものの、長期的には防食被覆層の劣化を促進し、コンクリート構造物の耐久性低下につながる可能性があります。
そのため、初期段階では異常が確認しにくく、劣化が進行した段階で補修や再施工が必要となるケースも少なくありません。
このような特性から、有機酸の影響を考慮した防食対策は、構造物の長寿命化や維持管理コストの低減という観点からも重要であると考えられます。
有機酸腐食 壁面
有機酸腐食 底盤部
有機酸 鉄筋腐食
有機酸+硫化水素
有機酸によるコンクリート劣化の原因物質
有機酸が存在する環境下では、防食塗膜に対して以下のような影響が生じる可能性があると報告されています。
有機酸による塗膜(エポキシ樹脂系)劣化の考え方
汚水・汚泥の腐敗過程で発生する有機酸は、防食被覆層の物性や遮断性に影響を及ぼす場合があります。
このような環境下では、有機酸および硫酸が複合的に作用し、防食被覆層や下地コンクリートの劣化が進行する可能性があります。
GP-303は、こうした実環境で想定される複合的な劣化要因を考慮し、防食被覆層に求められる遮断性および下地との密着性の維持に配慮して設計された防食塗料材です。
有機酸と硫酸が共存する環境においても、防食機能の長期的な維持を目的とした対策の一つとして位置付けられます。
また、GP-303は、有機酸環境下での長期使用を想定した評価を実施しており、高温条件および常温条件での浸漬試験においても、寸法や外観に顕著な変化が認められないことが確認されています。
GP-303は、こうした有機酸環境特有の課題に対応するための防食塗料材です。
パルミチン酸やオレイン酸といった高級脂肪酸への浸漬試験においても、
GP-303は安定した状態を維持しました。
有機酸と接触する用途に適した材料特性を有しています。
高温(75℃)および常温(23℃)条件下において、
重量変化率・寸法変化率は1%以下と極めて小さく、
割れ・反り・著しい膨潤といった外観変化は認められていません。
注:当社社内試験値であり、保証値ではありません。
短時間の評価だけでなく、
時間の経過による劣化の起きにくさを重視して評価されています。
有機酸と継続的に接触する環境でも、安定した性能が期待できます。
コンクリート腐食状況(超高圧洗浄後)
断面修復+GP-303工法
GP-303施工後18年が経過したビルピット①の状況
GP-303施工後18年が経過したビルピット②の状況
有機酸に対する防食性能は、単に「使用可能かどうか」ではなく、継続使用時に材料特性がどのように変化するかによって差が生じます。
GP-303は、短期的な耐薬品性の確認にとどまらず、有機酸環境を想定した社内評価において、長期使用時の寸法安定性および外観安定性に着目して設計・評価された防食塗料材です。
有機酸環境下で、設備の安定運用や保全計画への配慮を重視する場合、GP-303は検討対象の一つとして有効な選択肢となります。
有機酸浸漬後も、GP-303は外観上の変化がほとんど認められません。
GP-303 → 有機酸浸漬後も外観変化なし(高温条件)
※ 実際の試験写真を掲載(HP上では最も変化の激しかったパルミチン酸/室温での試験画像を掲載。)
※ 試験場所:自社調べ
※ 試験方法:高級脂肪酸への浸漬試験(75℃・23℃条件)を実施し、所定時間経過後の重量および寸法変化を評価。
汎用エポキシ系防食材
エポキシ系防食材 ※耐有機酸性なし
GP-303
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